離婚裁判で、ペットの犬の帰属と飼育費用について判断した裁判例
弁護士 幡野真弥
福岡家庭裁判所久留米支部令和2年9月24日判決をご紹介します。
原告(夫)と被告(妻)は平成8年に結婚し、平成13年に犬3頭を購入して飼育していました。
原告は、平成24年8月までに別居しました。別居後も、原告は家の家賃と水道光熱費、犬の餌代は負担していました。
裁判所は、3頭の犬は、夫婦共有財産に当たり、民法253条1項により原告と被告が持分に応じて飼育費用を負担するものとしておくのが相当だとして、持分割合は原告2対被告1としました。
そして、被告宅の家賃月4万5000円のうち、少なくとも半分程度は被告自身の居住のための費用と見るべきであるから、飼育場所の確保のための費用に当たるのは月2万2500円とし、原告はその3分の2である月1万5000円を被告に支払うことが相当とし、餌代は月4000円で一頭あたり14000円弱、その3分の2相当である1頭数あたり月900円を支払うことが相当だと判断しました。