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調停離婚が成立したが、当事者が離婚届を提出しないときの処理

弁護士 幡野真弥

 協議離婚の場合は、離婚届を届け出ることにより、離婚が成立しますが、調停離婚の場合は、調停成立日に離婚は成立しています。
 もっとも調停で離婚が成立したことは、戸籍に反映しなければなりませんので、10日以内に離婚届けを役所に届け出なければなりません。

 離婚の届出をするのは、原則、離婚調停の申立人ですが、相手方が届け出るように調停で合意することもできます。離婚の届出義務者が10日以内に届け出ない場合は、相手方が届出をすることができます。

 このように、通常は元妻か元夫の、どちらかが離婚届を提出しますが、仮にどちらも離婚届を提出しなかった場合、どうなるのでしょうか。

 家事事件規則第130条2項は、離婚調停が成立したときは、裁判所書記官は、本籍地の戸籍事務を管掌する者(市町村長)に対し、その旨を通知しなければならないと定めています。この通知により、市町村長は、当事者が離婚したことを把握します。
 そして、当事者のどちらも離婚の届出をしなかった場合、戸籍法44条により、市町村長は、当事者に届出を行うように2度催告を行い、それでも届出がないときは、市町村長は、管轄法務局長等の許可を得て、戸籍に離婚の記載をすることができます。