診断書が証拠として提出されたものの、モラハラに対する慰謝料は否定された裁判例
弁護士 幡野真弥
離婚相談の際に、よく、「モラハラを受けていたので、相手に慰謝料を請求することが出来ますか?」「診断書は証拠になりますか?」という質問をお受けすることがあります。
しかし、診断書から直ちにモラハラの発生を証明することはできません。例えば、東京地裁平成29年11月 6日判決は「原告がモラルハラスメントである旨主張する被告の言動は,原告に対する思いやりが不十分であったというべき部分があるとしても,一般的に婚姻関係の継続を困難にさせる程度のものであるとまではいい難く,本件全証拠によっても,上記診断書に記載されたような「長期複数回にわたる精神的暴力と威嚇行為」があったとまでは認められない。」と判断しています。
モラハラを立証するには、メールや会話の録音など、客観的な証拠が必要です。