親権・面会交流が争点となった事例
事案の概要
離婚したい妻から相談を受けました。
夫と離婚協議中だが、夫が離婚に応じてくれず困っておられました。特に、夫は長女を非常に可愛がっており、長女と一緒に暮らせなくなるという現実が受け入れがたく、離婚に応じないという態度をとっており、どのように話を進めればよいか困ってご相談にいらっしゃいました。
結論
お客様は夫との共同生活につき限界を迎えていましたので、お客様には、長女を連れて自宅を出ていただき、当事務所が代理人として介入した上で、離婚協議を進めることになりました。
その後、夫にも代理人がつき、代理人同士で話をしたところ、やはり夫は、長女と一緒に生活をしたいという希望が強く、親権を譲ってくれるなら離婚するという提案が出てきました。
しかし、もちろん、お客様は親権を夫に譲ることはできません。さらに、実は、長女が夫との接触を嫌がるようになっていました。同居中から長女は夫との接触を嫌がっていたのですが、お客様は父子関係の悪化を避けるべく、夫にはっきりとそれを告げていませんでした。
そこで、一旦代理人を通して、長女の気持ちを夫に告げてみたのですが、夫ははじめて聞く話で信用できないということで、話は前に進みませんでした。
お客様と相談して、一度、夫と長女との面会交流をしてみましょうということになりました。お客様としても、長女と夫の父子関係がなくなることはないため、できれば、今後も長女のためにも交流は続けさせたいと考えていました。さらに、面会交流できれば夫も、今後も面会ができるということで親権を諦める方向になるかもしれないし、ダメならダメで現実を見てもらった方が良いだろうという考えもあり試しに行ってみることにしました。
しかし、面会交流当日、長女は夫に会いたくないということで、泣き叫び自宅からも出ないという状況になり、困ったお客様からご相談がありました。そこで、その状況をそのまま夫に伝え、同日の面会交流は諦めてもらいました。
その後、夫は、少なくとも現状で夫が長女の親権を得て、引き取って育てるのは現実的ではないということに納得し、長女に無理のない範囲で面会交流を続けることを約束してくれるならということで離婚に応じる形となりました。
夫婦が離婚をしても非監護親と子供の関係が親子関係であることに変りはありません。必要以上に非監護親と子供との関係を悪化させずに解決したいところです。そのため、お子様の気持ちをどこまで、どのように他方配偶者に伝えるかは非常に難しい問題です。しかし、他方で本件のようにお子様がはっきり意思表示をしている状況で、それを全く伝えないままでは、無駄な紛争が続いてしまうことにもなりかねません。結果、さらにお子様に負担がかかることにもなります。
お子様の問題をどのように解決すべきか、悩まれた場合には、ご相談ください。
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