どこの裁判所で調停や裁判をすることになるか
弁護士 幡野真弥
離婚調停や離婚裁判は、家庭裁判所で行う必要があります。
家庭裁判所は、全国の都道府県庁の所在地と、函館市・旭川市・釧路市の合計50箇所に本庁があり、その他に支部と出張所があります。
離婚調停は、通常は、相手方の住所地にある家庭裁判所に申し立てる必要があります。ですので、相手方が遠方に住んでいる場合は、裁判所も遠方となってしまい、調停に参加するための移動が負担となることがあります。もっとも、相手方と合意ができれば、別の家庭裁判所に申し立てることもできます(家事事件手続法245条1項)。
離婚訴訟は、原告または被告の住所地にある裁判所に提起する必要があるとされています(人事訴訟法4条1項)。ですので、離婚訴訟は、自分が住む地域にある裁判所に提起することができますので、裁判への出頭の負担は小さくて済みます。なお、離婚訴訟では、合意によっても別の家庭裁判所に提起することはできません。
裁判所が遠方である場合は、調停でも訴訟でも、電話会議を利用する事ができる場合もありますし、別の裁判所への移送の申立(家事事件手続法9条2項)や自庁処理(人事訴訟法6条)といった手続きもありますが、どの裁判所で調停や裁判をするかはポイントの一つになります。