酒乱等が離婚原因となり慰謝料が認められた裁判例
弁護士 幡野真弥
今回は、東京地裁令和 2年 1月15日判決をご紹介します。
裁判では、以下のような事実が認められました。
・飲酒をして帰宅し暴れていた被告に原告が注意をしたところ、原告が保険証等の身分証明書を携帯することができないまま家を出ざるを得なくなり、Aの自宅で過ごしたが、その際、激怒した被告からAの留守番電話に暴言の録音が残された。
・被告は、朝帰りや飲酒の上で暴れることなどを繰り返し、原告に悪口を言うこともあった。
・被告は飲酒の上で暴れ、玄関に小さな穴を開けた。
・被告は、原告の妊娠が判明した際、原告に対して誰の子であるのかとの発言をした。
このような事案で、裁判所は
「それまでに改善を求めていたにもかかわらず,被告が朝帰りや飲酒の上で暴れること,感情を爆発させること,原告を侮辱する内容の発言をすることといった生活態度を改めなかったため,原告は,これに耐えられず,同年7月28日に内野クリニック神経科で診察を受けた際には,専ら上記のような被告の生活態度により苦しめられている旨の申告をしており,その後も被告との不良な関係性が継続したほか,それまでの家事や家計の負担についての見解の相違が大きいことも相まって,婚姻関係が確定的に破綻に至り,被告との離婚に至ったものと認められる。」と判断して離婚を認めました。
慰謝料は70万円とされました。