別居後の証拠により不貞行為が認定された事例
事案の概要
妻から離婚等の請求をされた夫から相談を受けました。
夫は、妻は不倫をして、離婚を希望するようになっているだけで、落ち着いたら戻ってくる可能性がること、子供たちも両親の離婚に反対していることなどから、離婚を拒否したいと考えていました。しかし妻の離婚意思は固く、話し合いは平行線となり、妻は自宅を出てしまったため、当事者同士で話し合いを継続することは難しいだろうということでご相談にいらっしゃいました。
結論
最終的に、夫から不貞相手に対する訴訟の中で不貞行為が認定され、妻は離婚を諦め、当面別居する形で生活することになりました。お客様は、妻との話し合いを続けながら、様子を見ることになりました。
お客様よりご相談を伺った時点では、妻の不貞行為に関する証拠がありませんでした。他方で、お客様は離婚を拒否したいとおっしゃっていました。そうなりますと、妻が不貞行為の証拠が非常に重要になります。妻の不貞行為が原因で婚姻関係が破綻したということになれば、妻は有責配偶者ということになり、妻からの離婚等の請求が裁判で認容される可能性は非常に低くなるためです。(有責配偶者からの離婚請求については「浮気をした・浮気をされた」の記事もご参照ください。)
そこで、すでに別居している状況でしたが、まずは不貞行為の証拠取得のために動きました。その結果、証拠を獲得することができましたので、当該証拠に基づき妻の不貞相手に対する慰謝料請求訴訟を提起しました。お客様としては、不貞相手に対して妻と別れてほしいというメッセージも伝えたく、不貞相手に対する慰謝料請求訴訟という手段となりました。
当該訴訟手続きの中で、別居後に取得した証拠、及びのその他の事情等から裁判所において、不貞行為が認定され、一定額の慰謝料の支払いを命じる判決が出されました。別居後の証拠のみですと、婚姻関係破綻後に交際している証拠となるだけで不貞行為の認定まではされないこともありますが、別居直後に証拠が取得できるなど諸状況によっては、本件のように同居中(婚姻関係破綻前)から継続していたことが推認されるとして、不貞行為の立証につながることがあります。
この訴訟の判決内容により、妻が有責配偶者となることがほぼ確実となりました。以後、妻は夫に対して離婚等請求を行うことはなくなり、とりあえず、当面の別居生活を受けいれるという状況になりました。
一方配偶者が不貞行為に及び、離婚を希望する事態となった場合、修復は決して容易ではありません。それでも、修復を目指すためには、本件のように離婚を希望している配偶者に落ち着いてもらい、話し合いのための時間を作ることが必要であるケースがあります。このようなケースでは、上記のように、しっかりと不貞行為の証拠をとり、裁判で離婚が認められにくい状況を作り出し、話し合いの時間を確保できるかどうかが一つのポイントになります。別居後の証拠であっても、内容や主張方法によっては、不貞行為の認定につながることがありますので、ご相談ください。
その他の解決事例
- 面会交流の条件について詳細な取決めをした事例
- 間接交流の合意に至った事例
- 養育費支払の免除が実現した事例
- 離婚訴訟提起後に和解により解決した事例
- 調停を利用することで早期解決を実現した事例
- 自宅売却後に離婚を成立させた事例
- 別居期間は約10年間で、適正額以上の財産分与も支払済であった事例
- 子の学費負担が認められなかった事例
- 妻の年収が高額だった事例
- 高額の慰謝料請求をブロックして、協議離婚を成立させた事例
- 離婚協議書を作成した事例
- 3回の期日で、金銭的なやり取りなしで調停離婚が成立した事例
- 協議開始から短期間で離婚が成立した事例
- 話し合いによる早期離婚が実現した事例
- 財産開示申立てを受けた後、財産開示をせずに終了した事例
- 交際相手に養育費請求をした事例
- オーバーローンの自宅マンションの処理が問題となった事例
- 離婚調停において修復を試みることに合意した事例
- 離婚請求棄却の判決をとって解決した事例
- 離婚訴訟において、有責配偶者からの離婚請求が認容され、判決で離婚が成立した事例
- 離婚訴訟により行方不明の妻との離婚が成立した事例
- 有責配偶者が調停で離婚できた事例
- 離婚後も夫に住宅ローンの支払いを継続させ、完済後に妻が自宅を取得した事例
- 公正証書を作成して、養育費を減額した事例
- 支払い義務者に住居費負担がないことが、婚姻費用増額事由になった事例
- 養育費について一部返還が実現した事例
- 別居後の証拠により不貞行為が認定された事例
- 自宅の売却益を財産分与として取得した事例
- 妻が財産分与として自宅不動産を取得した事例
- 親権・面会交流が争点となった事例
- 不貞行為の証拠を得た上で婚姻関係を継続した事例
- 定年退職後の夫との離婚が成立した事例
- 兄弟の親権を別々の配偶者が獲得した事例
- 有責配偶者につき調停で離婚が成立した事例
- 離婚しない選択をした事例
- 審判で婚姻費用を決めることで、安定した生活を実現した事例
- 頑なに離婚に応じなかった配偶者と調停離婚が成立した事例
- 妻から暴力を振るわれていた事例
- 家庭内別居が長期間続いていた事例
- 離婚訴訟提起により、短い別居期間で和解による離婚が成立した事例
- 婚姻費用分担金の支払いを受けながら当面別居することになった事例
- ペアローンを組んでいた夫婦の離婚が成立した事例
- 早期に適正な財産分与により離婚が成立した事例
- 弁護士の介入により早期に協議離婚が成立した事案
- 高額の財産分与を求められた事例
- 協議により早期に離婚できた事例
- 有責配偶者が短期の別居で離婚を実現した事例
- 離婚調停が不成立となり終了した直後に協議離婚が成立した事例
- 妻が子を連れて別居するも、夫が親権を取得できた事例
- 離婚調停を申し立てられた夫から依頼を受け、慰謝料なしの離婚調停が成立した事例
- 有責配偶者でしたが、離婚訴訟を提起し、和解離婚できた事例
- はっきりした離婚原因はなく、またマンションについて実家が頭金を出していた事例