コラム

婚姻費用分担金

婚姻費用分担請求について⑲~婚姻費用分担額決定までの流れ(9)調停~

弁護士 小島梓

 婚姻費用分担調停期日での話し合いを続け、双方が合意に至れば「成立」、合意に至らなければ「不成立」となって、調停は終了することになります。今回は、合意に至って「成立」する場合というのはどういうことかについて具体的に説明をします。

 婚姻費用分担調停で決めることは、通常、以下の二点になることが多いです。
①今後の月々の婚姻費用分担額
②過去の未払い金額の清算
 したがって、より具体的には、上記2点について、双方の意見が一致すれば、合意できるということになります。重要な点は、あくまで双方の「合意」が実現しないといけないということです。

 裁判手続きであるため、訴訟のようなイメージがあり、何か強制力が働き、無理やり決められる、若しくは決めてくれるのではというイメージを持っておられる方もいらっしゃいますが、調停はあくまで話し合いの場で、裁判所は話し合いの手伝いをするのみです。
 双方の意見が一致しないときに、裁判所が意見を押し付けたり、強制力をもって金額を決めることはありません。

 さらに、双方が合意するまで永遠に調停を続けさせてくれるわけでもありません。
 一定期間話し合いが続きますと、裁判所の方で、次回で合意できなければ、不成立として終了させますというような形で、期限を区切られることになります。この点は不成立となった場合について別のコラムにて詳細をご説明します。

 このように、具体的に金額等について意見が一致して合意に至った場合には、「調停成立」ということになります。次回は、成立となった場合の手続きやその効果などについてご説明します。