コラム

婚姻費用分担金

婚姻費用分担請求について⑯~婚姻費用分担額決定までの流れ(6)調停~

弁護士 小島梓

 今回以降、複数回にわたって、婚姻費用分担調停の説明をしていきます。
 本人同士で話し合いを試みても、弁護士をつけて協議・交渉をしても婚姻費用の支払いが始まらないケースでは最終的に、婚姻費用分担調停を申し立て、裁判所において話し合いを試みることになります。

 婚姻費用分担調停は、裁判所を利用しますが、中身は「話し合い」です。この点を誤解している方も多いです。裁判所を利用するということから、「訴訟」「裁判」をするイメージを持たれてしまうようです。その結果、拒否反応を示される方もいます。
 しかし、上記の通り、あくまで当事者の話し合いを、裁判所を利用して行うと考えてください。なぜ話し合いなのか、具体的な話し合いの方法は別途ご説明します。

 まずは、婚姻費用分担調停の申し立て方法です。この点についてはやはり、裁判所のページに一番正確な情報が掲載されていますので、「婚姻費用の分担請求調停」をまずはご覧になってみてください。

 注意を要するのは申立先についてです。
 当該調停の申立先は、法律によって「相手方の住所地の家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所」を決まっています。そのため、自分は東京の実家に身を寄せているが、相手方は北海道にいるというようなケースでは、基本的に相手方の北海道の住所地を管轄する裁判所に申し立てる必要が出てきます。

 この場合、状況によって、電話による調停への参加が認められるケースもありますが、絶対ではありません。相手方遠方の場合には、申立前に対応を弁護士と相談することをお勧めします。

 申立書への記載内容に関しても、事案によっては注意を要するケースがあります。  別のコラムで改めてご説明しますが、当事務所では、婚姻費用分担調停は、話し合いの場ではあるのですが、基本的には弁護士への依頼、若しくは一度検討されることをお勧めします。