離婚事件の解決事例

有責配偶者が短期の別居で離婚を実現した事例

事案の概要

男性は,妻からの暴言等により婚姻生活継続が不可能となり,妻との離婚を希望し,妻に対して離婚を申し出ました。当時,男性には,別に交際している女性もおり,早期の離婚を強く希望していました。しかし,妻は離婚を拒否しました。20年以上の婚姻期間がある上,妻は専業主婦で経済的な不安も大きく,離婚を受け入れてもらうのは大変難しい状況でした。

男性は,離婚調停にて話し合いを試みましたが,妻が離婚を受け入れることはなく,離婚調停は不成立にて終了となりました。

男性は,離婚をあきらめきれず,当方に相談にいらっしゃいました。

結論

当方は,このまま話し合いを続けて妻に任意の離婚を受け入れてもらうのは難しいと判断して,男性と相談の上,離婚訴訟を提起しました。

離婚訴訟においては,同居中の妻から男性に対する暴言,妻の他人に対する攻性等,男性が妻と一緒に暮らせなくなった事情を証拠と共に丁寧に積み上げることで,婚姻関係が破綻していることを主張立証することに注力しました。

その結果,原審では,男性の不倫にフォーカスされることもなく,当方主張の婚姻関係破綻を裏付ける事情,別居期間3年程度であることなどが認められ,離婚が認容されました。

その後,妻側から控訴されましたが,控訴審でも裁判所の離婚認容の心証は変わらなかったため,裁判所のアシストもあり,男性の希望に近い当方に有利な内容で,和解による離婚が成立しました。

通常,本件のように,男性が有責配偶者で,かつ婚姻期間が長期にわたっており,暴力等の明確な破綻原因がない場合,3年程度の短期の別居では離婚を認めてもらうことは困難な場合が多いです。その場合は,細かい事情を丁寧に積み重ねていくことで,短期の別居をカバーしうる程度の破綻している事実を立証することが重要になります。